ワッティー株式会社
1.熱システム事業
お客様の様々な要望に応えるオーダーメイドの工業用ヒータを開発・製造・販売しています。
薄型の液晶テレビやスマートフォン等の電化製品の製造過程で利用されるものから、寒冷地の配管の凍結防止用ヒータ、電車内の座席の暖房用ヒータまで、幅広い業界で活用されています。
これまでの知識や経験、技術を駆使した「熱に関するトータルソリューション」を展開しようと、日々挑戦を続けています。
2.センサ事業
自動車業界や医療機器メーカーを陰で支える、純日本製にこだわった多種多様なセンサを設計・製作しています。
さまざまな液体(純水・塩水・薬液等)の水位制御を行う液面センサや、機材等の姿勢制御などに活用される角度センサの他、磁気を利用し、接触することなく物体の接近を計測・検出できる磁気近接スイッチなども手がけています。こちらも、用途に合わせたオーダーメイドが9割。普段の生活で直接目にする機会は少ないですが、私たちの安全を守ってくれる技術です。
3.特機事業
創業当初から続く「提案型技術専門商社」としての機動力を活かし、OEM(他のブランド名で販売される商品の製造を請け負う)にも挑戦。火災報知器や防犯カメラといった防災・防犯機器の販売、照明・インターホン等の設備工事の提案・施行も積極的に行っています。
宇佐美城治 執行役員
ワッティーはおよそ半世紀前の1967年に、京浜測器株式会社として発足しました。
当初は商社としての事業が中心でしたが、百村社長は「既存の商品を売るだけでは、これからの時代を生き抜くことはできない。自分たちの手で、お客様一人ひとりに合わせたものづくりをしていこう!」と決断。19年前、熱システム事業とセンサ事業を立ち上げ、ワッティー(Watty)へと社名を変更し、新たなスタートを切りました。社名は、熱システムに関係深い「Watt(ワット)」と、センサ事業で主に扱う「Water(水)」。二つの事業にかける想いが込められています。
ワッティーのこだわりは、一品入魂のものづくりで、 “世界に一つだけのオーダーメイド製品”を提供すること。「Delight Provider(デライト・プロバイダ)―感動の供給者たれ―」という会社の基本方針のもと、「ワッティーにしか出来ないことがしたい」と語る宇佐美さん。その姿から、ものづくりへの誇りと情熱を感じます。
宇佐美さんの仕事は、熱システム事業部全体のマネジメントと人財育成。常に2~3年後の業界の姿を先読みしながら事業計画を考え、社員さんたちも育成しなければいけません。すごく大変な立場ですが、宇佐美さんは「これが自分の仕事ですから」と、自信に満ちた顔で答えてくれました。
社員さんから新しい提案があれば、なるべく早くGOサインを出し、一緒になって取り組みます。
「大切なのは、即断即決と権限委譲。仕事を成功させるために、必死に頑張って成長していく姿を見るのが何より嬉しいですね。結果的にうまくいかなくても、しっかり反省すれば次に繋がるはずです」と話してくれました。たとえ若手でも、やる気次第でたくさんのチャンスを掴めそうです!
忙しい宇佐美さんのリフレッシュ方法は仕事終わりに仲間と飲みに行ったり、休日にお子様のバスケの試合を見に行くことだそう。80人もの社員さんの先頭に立ち、熱システム事業を引っ張っていくその背中に、理想の上司像を見た気がしました。
技術研究所 栗原渉さん
栗原さんは熱システム事業部に所属。主に、半導体を製造する装置内で、製造に適した温度を保つための産業用セラミックヒータを開発・設計・製造しています。
「これは、セラミックという陶器のような素材と、ヒータを一体化させて造るんです。すべて手作りで、ひとつずつ成形、焼成します。陶芸家みたいなものですね」。そう語る栗原さんの表情は、まさに職人そのもの。お客様と一緒に構想を練り、指定された温度や加熱速度など、難しいご要望にも技術で応えていきます。
「構想から何年もかかるものもあれば、性能を維持するのも、品質を高めるのも難しい。ですから、完成した製品にはすごく愛着が湧きますね。自分が連れて帰りたいくらい(笑)。お客様にも、大切に使ってもらいたいなと思いますね」と、宝物について語るかのような栗原さんの表情から、製品に対する愛情が伝わってきました。
そんな栗原さんも、学生時代は映像関係の勉強をしていて、入社当初はなにもわからない状態だったそうです。経験豊富な先輩の下で実践的な経験を積み、「社会で必要なのは、自分から進んで学び取っていこうとする姿勢」と気付いた栗原さんは、アンテナを広くひろげ、少しでも多くの知識を身につけようと、たゆまぬ努力を続けました。 「現場は学ぶことだらけ。“日々勉強”というよりは、“日々吸収”という感じですね。経験を積んできたら、手間が省けて効率的な作業ができるようになり、お客様にも自信をもって製品を届けられるようになってきました。」
日ごろ、モノづくりに打ち込んでいる栗原さんのリフレッシュ方法は、学生時代の友人を飲みに行くことや草サッカーをすることだそうです。
「仕事のはじまりは“気遣い”から」と考える宇佐美さん。業務終了後には必ず清掃の時間を設けて、翌朝には清潔な状態でお客様をお迎えできるよう、常に心がけているそうです。工場に足を踏み入れると、社員さんたちの笑顔と、気持ちのいい挨拶の声が飛び交います。小さな気遣いを重ねることで、職場全体が明るくなるんですね。
実は取材中、用意していただいたお茶がとても美味しくて、思わずどんなお茶なのか聞いてみたところ、宇佐美さんこだわりの茶葉でした。このお茶ひとつでも、自分が美味しいと思うものを選ぶ、細やかな配慮。ここまでやるのか!と驚きました。
聞いたところ、忘年会や新年会の出席率も毎回ほぼ100%だそう。社員さん同士もお互いを気遣い、思いやりのある職場ということが伝わります。一度参加してみたいくらいです!
普段は和やかな雰囲気ですが、ものづくりに妥協や油断は許されません。仕事を始めたらカチッとスイッチが入ったように、ピリッとした雰囲気の中で仕事を進めていく栗原さん。
栗原さんにとって、先輩方は雲の上の存在だそうですが、いいものをつくることに、年齢は関係ありません。先輩や上司の方とも意見を言い合えるため、職場全体のチームワークも良いそう。「営業部から短い納期で仕事を頼まれたら、逆に一日前倒しして納品できるように全員で協力したり、お客様を驚かせられるような製品をつくりだそうと、常に切磋琢磨できる環境です」。
高い技術力を持つ先輩方に追いつくことは簡単ではないと語る栗原さんですが、この環境なら、どんどん成長できそうですね!
学生を採用するとき、学部学科はあまり気にしないという宇佐美さん。
「社会人になったら、大学時代に何をやってきたかより、目の前の仕事に対して、どれだけ熱意を持って取り組めるかということの方が大事」とアドバイスしてくれました。
宇佐美さん自身、大学では機械工学を学びましたが、新入社員時代には営業部に配属されたそう。「未知の環境に置かれても、そこでの経験を自分の糧にする気持ちさえあれば、専門的な知識を学んでいなくても、ものづくりの現場で活躍することができるんです」。
今アルバイトをしている人には、「働く大変さや社会人として必要な所作を早いうちから身につけられる経験は貴重」と語ってくれました。きっとここでも重要なのは、その経験を、将来の自分の糧にするという意識なのではないでしょうか。
学生時代、「何かモノを作る仕事に携わりたい。まずは自分が一番やってみたいことから、仕事を考えました」という栗原さん。就職に向けては、「色々な職場に足を運び、自分の目で見てみること」をおススメされました。
最近ではニュースなどで、やりたい仕事に就いたはずなのに、想像と違っていて残念ながら辞めてしまったという話を聞くこともあります。「今は長期のインターンシップもあるし、企業を調べるにしても、自分から担当の人に会ってパンフレットもらうとか。人との繋がりを大切にすると、新しい知識も増えてすごくいいと思います」。
アルバイトも、そこで自分が働いている4~5年後の姿が自然と浮かぶようになれば、それは続けられる仕事かもしれないとアドバイスをくれました。栗原さん自身、学生時代には選挙の開票から、インドカレー屋、肉巻きおにぎり屋など、色々な業種にふれてみたそうです。たしかに、色々な職場でその雰囲気を感じることは、就職を考えるうえで判断の手助けになりそうですね!
宇佐美城治 執行役員
ワッティーはこだわりの持てる会社。私たちにしかできないことを追及し、世界に一つだけのオリジナル製品をお客様に提供します。
技術研究所 栗原渉さん
若いうちから第一線で活躍できる会社。
目標とする人たちに囲まれ、常に刺激を受けながら自分を成長させられます。
今回、お二人から大切なことを学びました。
宇佐美さんからは、ものごとに取り組む熱意、栗原さんからは、貪欲なまでに学ぶ姿勢。
取材する前の私はどちらかといえば、出来ないことや苦手なことから逃げてしまう人間でしたが、今まで自分がいかに勿体ないことをしてきたのか、気付かされました。出来ないなら出来ないなりに泥臭く吸収し、苦手なことでも熱意を持って取り組めば、それが自分の糧になるということを教えていただきました。
そして、人と人との繋がりを大切にすることを学びました。昔から人と関わることが苦手だった私ですが、今回、ワッティーのお客様や自社の仲間に対する気遣いにふれ、関わることを嫌がらずに、自分から相手に対して、誠意を示していこうと考えを改めました。
仕事に対する誇りと情熱を持つ人たちに支えられ、成長し続けるワッティー。就職活動を控え、進路に迷いを持つ私のような学生に、胸を張っておススメします!
・記者
中央大学 3年生
S・H
・サポート
玉川大学 3年生
A・H