株式会社シャンテリー
1、エンジニアリングアウトソーシング
特に実績が豊富なのは、業務システムやWebサイト、組込みソフトウェアの設計・開発。全社員9割を占めるエンジニアが、生命保険、車載機器など幅広い業界で、お客様のプロジェクトチームに入り開発支援しています。
2、アプリケーションの受託開発
商社、ビル管理会社など多くの業種・分野から依頼を受けて、お客様のご要望に沿ったWEBサイトやWEBカタログなどのシステム開発を行っています。
3、SaaS
自社製品で法人向けのオンライン上データ倉庫の提供。管理者専用の機能や暗号化などでセキュリティも安心の上、低コストで利用可能。転送量、利用者数、ファイルの保管期間全て無制限で、スマートフォン・タブレットからも使えます。
4、FPGA商品の開発・販売
自由にプログラミングできる、書き換え可能なLSI(大規模集積回路)チップ搭載制御基板の開発・販売。費用が安価でコストパフォーマンスがよく、開発期間も短くできるため、注目されています。
加藤 正美 社長
取材が行われたのは、新宿駅から歩いて7分、窓の外にスカイツリーを臨む新宿野村ビルの33F。「現在は町田の本社とこの新宿に拠点を構えていますが、17年前は1DKのマンションの一室に、妻と二人だけ。入社したいという学生はほとんどいないでしょうね(笑)」と振り返りながら、素敵な社内を案内してくれました。
今では121人の社員さんの先頭に立つ加藤社長。「我が社の社員は、9割がエンジニア。例えば、お客様が効率化したいと考える業務をシステム化して運用できるよう、開発段階から長期にわたってサポート(エンジニアリングアウトソーシング)していきますから、技術はもちろん、コミュニケーション力も必要。人材育成には力をいれています」と教えてくれました。過去には採用面接に一人3時間以上かけた事もあるそうです!
社長としての重要な仕事は、毎年の経営指針策定。2015年9月に行われた発表会では、“5年後の2020年には、200名体制に”という目標を掲げました。「自ら発表し、会社の未来を社員と共有することは、必ずその目標を達成するんだと自らを奮い立たせる、大きなエネルギーにもなるんです」と語ってくれました。
プライベートではこれまで、陸上、水泳、テニスにゴルフ、太極拳まで、色々なスポーツを楽しんできた加藤社長。「会社を立ち上げた頃は、趣味に使えるお金も少なかったから、よく山登りをしていました。近くの大山には、100回以上登ったかな(笑)。そこで汗をかいて近くの温泉に入り、ざるそばを食べる。すると、不思議とまた頑張ろうという気持ちになったんです」と幸せそうに話してくれました。
ビジネスシステム1部 五味 優佳子さん
五味さんは、現在入社一年目。半年間の研修を終え、最近はOJT(職場で業務をしながら学ぶこと)でシステム開発に必要なプログラミング言語やアプリケーションを勉強しています。「研修は難しいですが、長期間かけて実践的なスキルを身につけられるので、すごく勉強になりました」。
研修内容は、7人グループでマイコンボード(小型のコンピュータ基板)に速度の変化を測定できる加速度センサを取り付けるというもの。聞いただけでも難しそうですが、「例えばスマートフォン。本体を横にすると、画面が自動的に切り替わりますよね。実はこの機能、加速度センサが方向や重力を感知して行っているんです」。プログミングは理系のイメージが強く、文系出身者には難しいと感じていましたが、実際に、この3年で入社した12名のうち10名が文系出身だそう。ゲームやカーナビなど、私たちの生活に密接なかかわりがあり、面白そうです!
プライベートでは、自社のマラソンサークルに所属し、チーム対抗6時間耐久リレーマラソンにも出場したとか!社会人1年目をイキイキと楽しんでいる様子が伝わってきました。
エンベデッドシステム部 市川 源修(もとのぶ)さん
市川さんはエンベデッドシステム部に所属。エンベデッドは“組込み”という意味。例えばデジタル家電や自動車などの便利な機能は、そこに組込まれた小さな制御システムによって、いつでも正しく作動するようにプログラムされています。
市川さんはこれまで、電子看板でLEDライトを規則的に点滅させるシステムや、自動車のメーターなど、お客様の会社のチームの一員として開発に携わったことも多いそう。「新入社員の頃は息子のようにかわいがってもらいましたし、社内のメンバーはもちろん、社外での人脈もたくさん広がりました」。市川さんの話しぶりから、開発の楽しさが伝わります。
「実は“鉄ちゃん”なんです」と、プライベートについても楽しそうに話す市川さん。週末は、車窓からの景色を楽しむため計画を練り、各駅停車に乗って旅をするのだとか。「音楽を聴いたり本を読んだりすることなく、電車そのものを全身で楽しむのがこだわり。連休には、青森まで8時間かけて行ってきました」。私も思わずワクワクしてしまいました!
お客様からも、現場での積極的なコミュニケーションに評価を受けているシャンテリー。企業理念は、「お客様、社員はもちろん、会社に関わるすべての人にとっての“グッドカンパニー”となること」です。
特に、社員さんを“大切な運命共同体”と考える加藤社長。お客様の現場に出向いて長期間働く社員も多いため、2カ月に一度は社員全員が一堂に会し、食事しながら親睦を深める『帰社日』をつくり、社内サークルや勉強会も推奨しています。「日常業務で、先輩・後輩が助け合い成長していく組織づくりが“縦糸”。サークルなどでの、部署や年代を超えた付き合いが“横糸”」と、独自の取組のねらいを語ってくれました。職場はそれぞれ違っても、あたたかいチームワークをつくることができるのは、人と人との繋がりを丁寧に紡いできたからこそ。結束の強さが伺えます。
入社したばかりの五味さんは、最初の『帰社日』に印象深い出来事がありました。
たくさんの社員さんと会食するなかで、新入社員同士どうしたら良いか分からず固まっていたところ、先輩が声をかけてくれ、各部署の方々に紹介して回ってくれたそう。「すごく面倒見のいい、素敵な先輩がいる会社に入れてよかったなと感じました」と嬉しそうに語る五味さんに、市川さんは「自分たちも、先輩から同じようにしてもらってきたんです。五味さんも先輩になったら、後輩にしてあげてほしいですね」とフォロー。社員さん同士の繋がりがつよい社風だと感じました。
活動が盛んな社内サークルでは、「普段の仕事では分からないその人の一面や、趣味や好きなことを共有できることで、今までにないコミュニケーションが生まれる」と教えてくれました。活動回数などもサークルによって様々で、複数のサークルに所属する方も多いそう。職場はそれぞれ違っていても、こういった活動で交流が深まり、会社全体の伝統が生まれていくのですね。
座右の銘は「いかに生き、いかに学ぶか」と語る加藤社長は、高校時代に工業化学を学び、卒業後すぐに、三交代制の化学工場に勤めることに。親元を離れ寮生活を始めましたが、夏は暑くて寝ていられず、冬は北風のなか作業服の襟を立てて、工場と寮を往復するだけの日々を送ったそう。
「これからの人生を真剣に考えたとき出会ったのが、『いかに生き、いかに学ぶか』という一冊の本。東北の50代の女性が、海外の会議に出席するため独学で英語を学び、全国にその報告をしてまわるという内容でした。19歳だった私はその物語に刺激を受け、“人生まだまだこれからだ“と思えるようになったんです」。
ここで加藤社長の運命のレールは分岐点をむかえ、働きながら専門学校に進学。仕事の合間にも教科書を開き、がむしゃらに勉強したそう。「それでも、自分の人生を変えると本気で思っていたから、つらくなかった。若い人たちには、自分の思いを押し殺すことなく、本当にやりたいことに、全力で向き合ってほしい」と語る加藤社長。つらい時こそ、自らの決意で人生を変えていくということを教えてもらいました。
システムエンジニアというと、PCに向かってコツコツ作業することをイメージしていたのですが、「人と話さないなんてことは、ありえないですね。長期間のプロジェクトに関わるときは、チームの人たちといい人間関係をつくることも重要な仕事」と教えてくれました。
「例えば遊ぶことでも、色んなことに挑戦すれば、自分に合うものに気付くことができます。それが仕事選びに繋がることもあれば、一緒に仕事をする人との共通の話題になることもあると思います」(市川)。
一年前まで就職活動だった五味さんは、元々、販売職を希望していたそう。「一見違う仕事ですが、システムエンジニアもお客様と関わる仕事ですから」。それが五味さんにとっての“仕事の軸”。仕事選びには業種ではなく、どう働きたいかが大切なんですね。この会社を選んだのは、なんと面接の最中。「面接官に緊張していることを指摘され、もう落ちたと思いましたね(笑)。でも、それはトレーニングで治ると、さらっと言ってくれた。コンプレックスがあっても、努力次第で変われるんだと思わせてくれたこの会社で働きたいと感じました」。
元々、社会人になったらバリバリ働きたいと考え、社内でも主任を務め活躍する女性の先輩がいるので、“将来は自分もそうなりたい!”と、日々勉強を重ねているそうです。
加藤 正美 社長
「社員一人ひとりが、“シャンテリーで一生過ごしていきたい、この会社を存続させたい”と思えるような会社にしたい。そういう会社であると、私は思っています」
エンベデッドシステム部 市川 源修(もとのぶ)さん
「居心地のいい会社。みんな趣味を持っているし、仕事だけではなく、いろんな話を楽しめます!」
ビジネスシステム1部
五味 優佳子さん
「学べる会社。どんな小さなことでも教えてもらえる環境で、仕事だけでなく、人間関係も学ぶことができます。」
取材に伺ったのは10月後半。シャンテリーのある新宿野村ビルはガラス張りで、雲に隠れるくらい高いビルです。オフィスは全体に光が入り、部屋も明るく社員さんもあたたかい印象でした。休憩時間には社員さん同士が自然と笑顔で会話していて、普段からコミュニケーションを大切にする風土だな、と強く感じました。なんと今後、シャンテリーの受付にはあの感情認識ヒューマノイドロボット、ペッパー君がやってくる予定らしく、社員さんも皆、楽しみにしている様子で、盛り上がっていました!
シャンテリーは、社員の交流の機会がたくさんあることにも驚かされました。Facebookを見ると、記事に紹介した『帰社日』以外にも、子供職場体験を開催したり、より働きやすい職場をつくるために社員同士がアイディアを出す機会を設けたり、イベントが盛りだくさん。それは、シャンテリーを大切に育ててきた加藤社長が、長年かけてつくりあげてきた社風なんだろうと感じました。
社員さんのお話で驚いたのは、“遊ぶのも大事”という言葉。就職活動だからと無理やりに趣味をやめるのではなく、やる代わりに、語れるくらいやる。新しい考え方にふれ、私も興味を持てることには、とことん挑戦していこうと思いました。
加藤社長の人生の転機のお話も、大変勉強になりました。人生において「いかに生き、いかに学ぶか」を考えることは、私を含め、大学生全員に向けた力強いアドバイスだと感じました。
・記者
玉川大学 3年生
H・A
・サポート
玉川大学 3年生
Y・H