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エイト技工株式会社

1、プリント基板の製造
 家電製品などに組み込まれている基板(コンデンサー等の多数の電子部品を表面に固定し、その部品間を銅などで接続することで電子回路を構成する絶縁板)の製造。小ロット製造や試作対応等のご要望にも、熟練の技術者がお応えします。
 
2、電気回路設計
 主に発電所等の制御盤や配電盤(電気の流れに異常がないかを監視するシステム)の設計・製造。電気制御に関しては、創業当初から40年にわたりノウハウを蓄積してきました。
 
3、ソフトウェア開発
 コンピュータ、マイコン(CPUやメモリを集積した回路で、情報処理や制御等を行う)のシステム開発。特に公共施設の設備での採用実績が多く、開発から設計、メンテナンスまでの一元化されたサービスには自信があります。
 

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大坪 征弘 社長

 
 私たちの生活を豊かで楽しいものにする最新家電から、日々の暮らしに欠かせない発電所の設備。それらを制御するシステムや、頭脳ともなる基板を設計・製造し、私たちの日常を支えてくれているのが、エイト技工の技術です。
 
 大坪社長の主な仕事は、事業計画書の作成や、会社の売上等の財務データをしっかりと把握し、分析すること。「社員が作ってくれた資料を見るだけでなく、自分なりの視点で数字を読み込み、分析することが大事。改善策は、たくさんあった方がいいですから」と、月の始めに開催される社内会議では、社員さんと一丸となって戦略を練っているそう。
 
 そんな大坪社長、実は社長室を持っていません。「就任した時は用意してくれていたのですが、社員ともっとコミュニケーションをとった方が良いと思い、引き払ったんです」。会議はもちろん、日常の業務でも、いつも社員さんと一緒なんですね。
 

 
 そして仕事のあとは、地域の商工会の運営議員としても活動されているそう。他の議員の方とのミーティングや会合にも参加し、地域貢献も忘れません。「会社の外に出て色々な会社の社長さんたちと出会うことで、経営理念や、事業についてもアドバイスをもらえる。学ぶ事がたくさんありますね」。経営者は、常に“もっと会社を良くしたい”という気持ちでいるものなんですね!
 
 プライベートでは、4人のお子さんと知人から借りた畑に出かけ、オクラやミニトマトを栽培するのが楽しいと語る大坪社長。最近ドラムを始めた甥っ子に付き合って、一緒に練習をするなど、意外な一面も…。その優しい笑顔からは、面倒見のいい、頼れるお父さんの雰囲気が伝わってきます。
 

DS部 中野 裕行さん

 
 相模原の本社へは、家から5分で到着するという中野さん。デザインサービス部に所属し、発電所内の設備に異常が発生していないかを監視するシステムの設計や、装置のメンテナンス業務を担当しています。「図面通りに製造できたと思っても、電気回路に少しでも不備があれば、正常な作動を保証することはできません。納品前に充分試験できるよう、設計に取り掛かるのは完成の半年以上前という事もあります」と教えてくれました。
 
 大きなプラント内の設備ともなれば、長期にわたって利用されるものも多いそう。「時間とともに技術も進歩しますから、部品ひとつを交換・改良するにも、納品当初のものと全く同じものがないことがほとんど。特に発電所では、何か小さな問題が起きただけで、その一帯が停電する可能性もあるので、気を抜けません」と、失敗の許されないプレッシャーを感じながらも、やりがいある仕事だと語ってくれました。
 

 
 エイト技工は本社以外に、東京都の府中にも事業所があります。中野さんは、勤務時間のほとんどをそちらの工場で過ごすことも多いそう。「そこで、製品がきちんと作動するのかを丁寧にテストします。その数値などをデータ化し、本社チームへ報告するのも私の役目なんです」。
 
 仕事では、工場と本社とを車で移動することが多い中野さんですが、プライベートではサイクリングを楽しんでいるそう。「天気のいい日には東名高速道路の新しいサービスエリア、EXPASA海老名に行ったり、片道2時間かけて遠出して、江の島まで行ったこともあります」。気持ちのいい休日を過ごすことも、大事にしているんですね!
 

 
「社員は私にとって、何があっても守りたい“大切な仲間”。朝から出勤するのが楽しみで仕方ないと思えるような会社を目指しています」と語ってくれた大坪社長。
 
 社長としての最初の仕事は、80人を超える社員全員との面談でした。「18年前は、別の会社でシステムエンジニアとして働いていました。でも先代の父が亡くなって、母に会社を引き継がせるわけにはいかないと、社長になる決意をしたんです。右も左も分からないから、まずは社員たちとじっくり話すことからスタートしようと考えました」。いち社員から社長になるなんて、とてつもないプレッシャーがあったはず…。就任前夜には、自分に社長が務まるかと、一晩中会社の前の道路をウロウロしていたと、当時を振り返りながら話してくれました。
 
 社員一人ひとりに、仕事の現状や困っていることはないか聞いていくと、作業着や工具が古くなっているという声が上がってきたそう。それ以降、定期的に必要なものをチェックし、新しい就業規則を作るなど、社員の働きやすい環境づくりに力を入れてきました。
 
 今も、上から目線でものを言わないよう心がけているそう。「仕事は“やらせる”のではなく、なぜやってほしいのかを伝え、お互い納得したうえで自主的に動いてもらえる関係が理想です」と、社員さんの育成について話してくれました。
 

 
 中野さんが思うエイト技工の一番いいところは、「入社したばかりの新人でも、仕事のことで先輩に質問しにくいなんてことはないですね。人間関係の良さが自慢です」と笑顔で紹介してくれました。毎年、忘年会など社員全員が顔を合わせる機会もあり、部署間の隔たりもなく、会社全体がチームのような感じだそうです。
 
 スゴイと感じたのは、社外でも良好な人間関係を築いているということ。中野さんは業務提携している工場に出入りすることもあり、そこで働いている方たちとは、プライベートでも仲が良いそう。「夜にオンラインゲームで一緒にプレイすることもあるんです(笑)」という話を聞いて、仕事を心から楽しんでいることが伝わってきました。
 
 また、エイト技工は創業以来、電気回路やシステム設計などを得意としてきましたが、「文系の方で電気や機械系の知識がなくても心配はいりません。3ヶ月の研修期間で仕事の基礎はしっかり勉強できますし、先輩のサポートも充実しています。実際に、現在の45名の社員のうち、およそ半数は文系出身なんですよ」。
 


 
 学生時代、なんとメジャーデビューをめざし、バンド活動をしていたという大坪社長。「好きなミュージシャンは、ロックバンドのKISS。腰まで伸ばしたロングヘアーに、厚底ブーツとブラックジーンズ。周りとは一線を引いて音楽に明け暮れる、とんがった学生でしたね(笑)」。
 
 就活生へのアドバイスは「やはりコミュニケーション力が大事。社長に就任してから、自分の考えをうまく伝えられず悔しい思いをずいぶんしてきましたね。心から打ち解けることができないまま退職していってしまった社員もいました。今思うと、学生の頃にもっといろいろな人とコミュニケーションしておけば良かったなと感じます」と、ご自身の経験から、貴重なお話を聞かせてくれました。
 
 そして、エイト技工が求める人材は、“諦めない人”。「どんなに地味でつまらないと感じる仕事でも、そこに意味があると信じ、続けることが大事です。その努力が、成長を約束してくれるはず」。これまで多くのことを経験し、挑戦し続けたからこそ言える言葉だなと感じました。
 

 今では課長として後輩たちを引っ張る中野さんですが、新人の頃には、苦い経験もあったそうです。「設計時に、抵抗値を間違えて、装置がちゃんと作動しないという連絡が来た時は、頭が真っ白になりましたね。でもその場にいた先輩達がすぐに設計図を広げて原因を突きとめてくれ、1日で解決することができました。頼れる仲間に恵まれたことに、心の底から感謝しました」。社員さん同士の団結が、成長を支えているんですね!
 

 
 中野さんからのアドバイスは、まずはなんでも自分でやってみること。


「入社当時は知識がなくて当たり前。教えてもらったことを自分なりにやってみて、先輩にアドバイスをもらったらもう一度自分でやって知識にしていくんです。自分で完成させた設計図には自筆のサインを入れるのですが、それができるようになるまでには4年かかりました」。そして、設計図を隅々まで理解し、お客様からの質問にすらすら答えられるようになるまでには、さらに時間がかかったそう。そこまでできて初めて“一人前”になれるというお話に、仕事の奥深さを感じさせられました。


大坪 征弘 社長

「成長したいと思う人には、そのステージを用意します。一緒に頑張りましょう!」

DS部 中野 裕行さん

「ミスをしても、社員全員でカバーしていきます!みんなで頑張るチームです!」

「取材」という初めての経験で、1番感じたことは、相手の話を引き出すことの難しさでした。前もっていくつか質問を考えていたはずなのに、いざ本番になった時にそれがうまく言葉になりませんでした。それでも、合計で、約2時間半の取材を無事終えることができて、安心しました。中野さんのお話の中で、「ミスをした時に頭が真っ白になってしまった」というお話を聞いて、学生と社会人では、責任の大きさが全く違うんだと改めて感じました。
 
 取材後には、社長の心遣いで、会社内の工場も見させていただきました。プリント基板を作る機械を見せていただきましたが、何も乗っていなかった板が、あっという間にコンデンサーなどが付いた基板へと変わっていき、初めて見る光景だったので、夢中で見入ってしまいました。
 
 また、取材のために、エイト技工を尋ねた時に、玄関のところに置いてあった機械が気になり聞いてみたところ、エイト技工で開発している新しい機械とのことでした。基板を作るときに、まだ、人の手でやらないといけない作業が多いのですが、基板のコーティング行程を自動で行う機械だそうです。大坪社長は、この機械の開発など、まだまだ会社としての成長を目指しているそうで、社長のやる気がとても感じられました。
 
 社長が言っていた、「すべての物事には意味があると思って頑張れば、少しずつでも成長できる」という言葉を胸に今後もいろいろなことに取り組んでいきたいと思います。
 


 
・記者
東海大学 3年生
 N・K
 
・サポート
明治大学 4年生
 M・N